『絶体絶命都市』の精神的後継作『巨影都市』をクリアしました。
怪獣やヒーロー視点ではなく、それに翻弄される一般市民の視点でサバイバルを描くという素晴らしい着眼点から生まれたSFサバイバルアドベンチャーゲーム。
コラボ作品も筆者の琴線に触れるものが多く期待度たっぷりで挑みました( ˘•ω•˘ )b
※:ネタバレを若干含みます。避けたい人はバック推奨です。
タイトル | 巨影都市 |
ジャンル | SFサバイバル・アクションアドベンチャー |
対応機種 | PS4 |
公式サイト | 巨影都市 |
グラフィック面
お世辞にも良いとは言えないグラフィック
〈PS2時代の龍が如くを思い出すグラ〉
グラフィック面に関しては、PVや公式サイトの情報から大体把握していたので想像通りの出来でした。
最近の出来た洋ゲーと比較するつもりはありませんが、国産の中堅ゲーと比較しても一歩二歩足りないってレベルでしょうか?
まぁ、作品を表現する為の最低限のレベルのグラはあるので…だからダメって事はないです。
あと、コラボ相手である巨影たち(ウルトラマンやゴジラ)のモデリングの出来は悪くなかったと思います。
キチンとスクショやムービー映えするビジュアルは備わっているので…安心です。
演出・ストーリー面
巨影襲来に至る腑に落ちる理由を期待してはいけない
〈投げっぱなしエンドな上に説明は全てテキスト消化というタブー〉
様々な作品が一つの世界観でクロスする…という事でシナリオ・ストーリー面に期待している人もいるかもしれませんが、…悪い事は言わないので、そこには期待しないでください。
ゴジラやウルトラ怪獣たちが一挙襲来に至る腑に落ちるような理由は全く用意されていません。
むしろそれ以外の部分も割と投げっぱなしなのでストーリー面に関しては微塵も期待してはいけません。正直、痛い目をみます。
作り手側も我々の作品にストーリーを求めるユーザーはいないだろう…。と高を括って製作している節があり、期待してしまうとお互いに辛い思いをし兼ねないのでダメ絶対って感じです。
映画だと「ラスト5分の衝撃~」的な表現を番宣に用いることがありますが、この作品にもラスト5分の衝撃が待ってます。いやぁ…エンドロールでのネタばらしの応酬には震えました…(笑)
巨影たちの登場カットやBGMでの演出が弱い
〈ティガがバク宙するシーンは良かったです〉
プリレンダムービーではなく全てリアルムービーで表現したのはある種の拘りなのかもしれません。しかし、それゆえに演出面が弱いです。
空気みたいにヌッと現れるってのはある意味リアリティかもしれませんが、キャラゲーな訳だしド派手な登場ムービーがあっても良かった気がします。
また、作品を象徴するようなBGMや主題歌が使われている訳でもないので耳から入る印象はSEや巨影の掛け声しかありません。
逆にBGMが流れたら作品のコンセプトがぶれるという意見もあると思いますが、絵も音も淡白だと物足りなくなるのは当然な話で…原作準拠のBGMが付いたバージョンでも見てみたいってのが本音です。(SEは原作準拠です)
「絶体絶命都市」的なシュールギャグには期待してOK
本作一番の強みは人を選ぶシュールギャグとそれを生み出す選択肢の豊富さでしょう。
危機的状況なのに煩悩丸出しではしゃぐ主人公、バイクを見るたびにはしゃぐ謎のテンション…等々、プレイヤーの選択次第でプレイヤーの見え方は大きく変化します。
「沸騰したヤカン」や「ツクツクボウシ」のモノマネを必死にする声優さんたちの努力と雄姿。その耳にしかと焼き付けて下さい。
ふざけた選択肢や演出を真面目にボイス有りで表現されていて、用意された選択肢を選ぶと更に斜め上のシュールを提供されるという非現実。…そういうのが好きかどうかか、本作を楽しめるか否かを分かつポイントであるのは間違いありません。
またこういうストーリーに直結しないようなイベントは分岐や隠しも多いのでやり込み要素も多少あります。
〈個人的にイチオシなイベントシーン〉
一番の驚異は巨影ではなく怖いお兄さん二人組
ある種のリアリティかもしれませんが、本当の驚異は「巨影」ではなく「恐いお兄さん二人組」。
フィールドには巨影による攻撃や移動による落石等々、即死トラップが随所にちりばめられています。しかし、一番の死にポイントは、主人公を口封じする為に追いかけてくる黒いスーツのお兄さんたちによる撲殺です。
まぁ、サバイバルものや怪獣ものでも一番怖いのは人間ってのはよくある展開ですからね…( ˘•ω•˘ )
いやいや、でもそれはちょっと違う気もする…。
あと、一番怖いのは、危機的状況にあるのに仕事仕事…納期納期…と仕事に奮闘するNPCがやたら多い事です。逃げろ…逃げてくれ…頼む(笑)
【最大のマイナス】巨影たちが即死トラップ的な存在にしか感じられなかった
『絶体絶命都市』の精神的後継作なので、「災害」⇒「怪獣・ヒーロー」と置き換えた作品である事は重々理解できます。
しかし、色んな有名作品が一堂に会するとなると…ファンはそこに色んな映像を期待する訳で…。
例えば、「ガメラ」と「ゴジラ」が遭遇して一度は争い…その末に共闘する流れ。「ネルフ」と「特車二課」が共同作戦する流れになって、レイバーがエヴァの足を引っ張る流れetcetc。
狭い日本に多くの巨影たちがスクランブルする状況下で、他作品同士が一度もブッキングしないって流石にオカシイ(マジで一度もブッキングしません)。
そんなの大人の都合で怪獣たちが空気読んでるだけじゃないですか…( ˘•ω•˘ )
巨影たちが前面に押し出されるのは「巨影都市」のコンセプトに反すると言われればそれまでかもしれませんが、私が「巨影都市」に求めていた夢の競演的なものは一切存在しませんでした。
言うなれば、「アヴェンジャーズ」と銘打っているのにも関わらず、「スパイダーマン」や「アイアンマン」が絡まずそれぞれの敵と戦ってそのままエンドロールみたいな…。
「えっ?アヴェンジャーズである必要とは?」状態な訳ですよ。
個々で見ても、一部光る演出はあれど、基本的にはフィールドに点在する即死トラップ的な存在であり。それ以上でも以下でもありません。(マリオで例えるなら「ドッスン」的な存在。)
…豪華なコラボラインナップの割にそれを活かしきれていないというのは、最大の欠点だと私は感じました。ここさえ死守してくれれば、後がいくらお粗末でも我慢できるファンは多いと思うんだ…。
ゲーム性・システム面
移動しながら即死QTEを□で回避してゴールを目指す
生きるという漠然とした目的を胸に、主人公は全17からなるステージを順番にクリアしていく。
行う事はただ一つ…点在するアイテムやサブクエストを回収しながらゴールを目指す。
進行に応じて即死に繋がるようなアクシデントが発生するので、□ボタンで即死を回避。ちょっとした謎解き要素は存在するが、基本的にはこれだけである。
巨影によって崩壊する街の中で最大のライブ感を味わうと言えば聞こえは良いですが、流れにそって歩み□を押して回避するだけと言えばそれだけのゲーム性。工夫によってルートが分岐したり展開が変化したりといったプレイヤーの介入できる余地はほとんどありません。
カメラアングルの悪さ結構カクつく処理オチ問題
〈プログレッシブナイフの全景をフォーカスする事が出来ない…( ˘•ω•˘ )〉
カメラアングルの悪さが致命的なのは各所で言われている通りですが、想像以上に悪いと思ってくれていいです。
特に閉所に入った時や巨影の足元から巨影カメラ(注視状態)を展開した時のアングルは劣悪すぎます。
処理オチ問題もひどく、処理が重なるような場面になると頻繁にカクつきます。
即死が多いゲーム性でカメラが悪く処理オチも頻発するってのはかなりのギルティではないでしょうか?
好みのアングルからスクショや動画をキャプチャーするのが比較的楽しい作品なだけに…ここを落としてしまっているのは致命的です。別モードでもいいから360度フリーに動かせるカメラがあれば…スクショ収集が捗って楽しかったのになぁ~( ˘ω˘ )
あとロードはやたら長いです…。
コスプレ(装備品)や収集品は意外と豊富
〈装備ヶ所もやたら多い謎の拘り〉
やたらコスプレアイテムや収集物が多かったのは良かったです。
私は終始チャイナドレスorセーラー服で荒廃する街を駆け抜けました。(※男主人公です)
ヒロインもきちんときせかえ出来るのでそういう需要にも答える事が出来ているとは思います。
総評
〈プレイ後にPVを見ると別の意味で面白いw〉
『巨影都市』を「アホゲー」と捉えるか「クソゲー」と捉えるかは、プレイヤーの感性と優しさにゆだねられています。
私の率直な総評としては、「尊くはあるが人には勧めたくないクソゲー」と言った所でした。
着眼点自体は凄く良いと思うので、続編などの企画が通るならば頑張ってほしいです。発売されるなら更なる期待を持って予約購入するでしょう(笑)
- 【コラボしている特撮・アニメが好き】
- 【絶体絶命都市が好き】
- 【8時間くらいでサクッと終わる作品を探している】
これらに該当する人なら一周は普通に走れるでしょう。…が、それ以外の人はちょっとやそっとの興味で飛び込むと痛い目見るので心して飛び込んできてください。
値踏み | 2980円+税なら興味本位でGOしても軽傷 |
評価 | 尊いクソゲー |
オススメ度 | (コラボ作品が好きである事が前提) |
公式サイト | 巨影都市 |
バンダイナムコエンターテインメント (2017-10-19)
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コメント
選択肢的な流れを楽しむ分には面白いが、ただそれだけのゲーム。
ストーリーの結末は、個人的にはバッドエンドだったかな。
2周目をやるモチベーションが保てないので即売りしたゲーム。
結局引き継ぎはコインだけだし、それも1ステージ終えてから、交換し直す糞仕様。
ヒロインの衣装変更は6ステージまでお預けのまま、一度クリアしたら、最初から全開放しろよ!と思う。
資金的なものは、ミニイベントに関わるので仕方ない気もするが、何より、エンディングはがっかりだったかな。
エンディングは流石にガッカリしますよねぇ~ もう少し丁寧にやって欲しかった…