【サガスカーレットグレイス:評価・クリアレビュー】アンサガとは別の意味で攻略本が欲しくなる傑作!

サガシリーズ25周年の記念すべき節目に発売された【PSvita】専用ソフト『サガ スカーレットグレイス』をクリアしました。(クリアといってもまだ二人目を終わらせただけなので、まだまだ先は長い…)

実際にプレイするまでは、ダンジョン廃止・ロード時間が長い等の不安要素がチラッチラッ見え隠れと不安材料盛り沢山でしたが、やってしまえば、そんなものは些細な問題だったのだぜッ!

唯一無二となる至高のRPG、誕生
(キャッチコピーに異議なしッ)

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【SaGa SCARLET GRACE(サガ スカーレットグレイス)】

分かりやすく生まれ変わった新時代の「サガ」

リメイク作などを除けば、久々の完全新作となった本作。冒頭でも書きましたが、発売まではダンジョン廃止やロード時間の長さ等々、本当に不安材料だらけでした…。

しかし、「サガ」シリーズファンとして、久々の新作をスルーするなんてトンデモナイッの精神で突撃ッ。そんな爆砕覚悟の筆者を待ち受けていたのは、想像以上の逸品だったのです。

「これは…新時代の『サガ』…だッ…ガクッ(平気)」

中には攻略本が無いとまともに遊べないものもあった「サガ」シリーズで、これ程までに親切丁寧で分かりやすい作品が出てくるだなんて…(アンサガは攻略本があったら至高だから…)

大衆向けとは言いにく作品が多かった「サガ」シリーズが、面白さや作品の魅力そのままに大衆へと歩み寄った…そんな革命的なタイトル、それが「サガ スカーレットグレイス」なのです。(大げさ)

主人公も四人でリプレイ性高し!

「サガ」シリーズと言えば、複数の主人公から一人を選んでスタート地点(シナリオの出発点)を選択する作品が多いですが、本作でもそれは健在。(左から、激動の人生を歩んできた陶芸家「タリア」、世界を知らない農民の青年「レオナルド」、剣将軍ユラニウス家の娘「ウルピナ」、血塗られた法廷処刑人の一族「バルマンテ」)

プレイヤーは、この中から星の導き(簡単な質問)により選ばれたキャラクター1人と運命を共にする事になります。(選択する事も可能です。)

筆者は現在「ウルピナ」と「レオナルド」の二人を終わらせた所ですが、共通ルートこそあるものの主軸となるシナリオはキャラクターによって大きく違います。更に、シナリオだけでなく、そこでとる選択によっても展開やルートは大きく変化するので、リプレイ性はかなり高そうです。

作品全体を把握しようとするとプレイ時間は凄い事になりそうですね…(歓喜ッ!)

本当の自由を感じるフリーワールドRPG


リプレイ性が高いのは【フリーシナリオ】を売りにする「サガ」なら当然とも言えますが、本作は【フリーシナリオ】を超える【フリーワールドシステム】を搭載。

【フリーワールドシステム】とは…プレイヤーの行動や選択がシナリオだけでなく、ワールド(世界そのもの)に影響を及ぼしていくシステム。

言葉にするとちょっと分かりにくいですが、ワールドマップ上に点在するオブジェクト(街や洞窟)が、プレイヤーの選択次第で「サッ」っと消失したり、「ポン」と生み出たりします。噂話や実際に確認した事象がワールドマップへと影響を及ぼす…確かに表面的な変化に過ぎませんが、この些細な変化が、「俺。今、冒険してるわ~」という高揚感に繋がっていくのです。

ダンジョンの廃止に関しても、ワールドマップが広大なので、特に必要性は感じませんでした。(逆になくて正解だったとすら今なら思えます。)


※:お宝探ししてたら海を真っ赤に染めちゃってたウルピナちゃんの図(この後怪物が海から出てきますw)

タイムラインシステムでバトルは極限進化

「サガ」のバトルが面白いのは当たり前ッ!そんな、戦闘システムに自信アリの「サガ」シリーズの中でも、本作のバトルシステムはかなり極まってます。

基本的なシステムはオーソドックスなコマンド形式のバトルなのですが、大きく違う点は、相手の行動順や行動内容が予め把握できるという事。こう聞くと、ヌルゲーに聞こえるかもしれませんが、このゲームの敵は容赦という言葉を持ち合わせていないので、見えてないと瞬殺…必死です。

相手の見えてる行動に対する最適解を考え、配置していく事で、戦闘を有利に進めて行くのが【タイムラインバトル】の面白さであり、見えているにも関わらず発生するイレギュラーに一喜一憂するのが、このシステムの醍醐味であります。

陣形や閃きはそのままで新システムもバッチリハマる

【陣形】における行動順や隊列による優位性、【閃き】によって発生する奇跡の大逆転とまさかのイレギュラー、それら全ての要因によって発生する【連撃】という快感…。

【陣形】【閃き】【連撃】といった、従来までの【バトルシステム】たちが違和感なく、【タイムラインバトル】にハマッています。状態異常やバンプ(行動遅延)効果などを駆使してタイムラインを巧みにコントロールし、隙あらば連撃を叩き込んでいく…これが実に奥深いッ…(最高なのであります。)

ちなみに【連撃】の発動条件は、走り出したタイムライン上で、行動結果によって変動した味方アイコンが2つ以上連続する事です。(逆に、行動途中で敵による2つ以上の連続を作られると敵の【連撃】が発生します。)

なお、戦闘ごとにボーナス条件が設定されているので、それらの条件を目指して戦う稼ぎプレイも重要になってきます。システムを理解すればするほど、楽しく、そして、美味しい…。

イトケンサウンド・河津シナリオ・トモミンキャラデザで最強の構え!

バトルの完成度ばかりフィーチャーしてしまいがちですが、それ以外の「サガ」らしさも勿論健在。

どこか毒の効いたセリフや何となく闇が深そうなエピソードの数々は河津神らしさそのものッ!
そして、そんなシナリオを彩るのが、「伊藤賢治」氏による音楽(イトケンサウンド)と「小林智美」氏による美麗なアート(トモミンキャラデザ)の数々。そうそう、これでこそ「サガ」なんだよね…。

問題点はやはりロード時間か…

唯一の欠点を挙げるとすれば、それはやはりロード時間の長さ。

動画を見れば一目瞭然ですが、お世辞にも早いとは言い難いロード時間です。
更に、行動選択後の「レディーゴー」も相まってテンポが悪く感じちゃうジレンマ(プレイすると「レディーゴー」はワクワク要素になるんですけどねぇ~)

筆者自身はイトケンサウンドによる高揚感などでそこまで気になりませんでしたが、気になる人には気になる長さだとは思います。まぁ、短ければもっと素敵だよね…

じっくりと腰を据えて遊ぶ本格派です

ダンジョンもない、ボイスもない、派手な演出やムービーもない、有るものより無いものの方が多い作品ですが、この作品にとって必要なものは全部あります。

時間のない現代人の時間を更にチューチューしてしまいそうな危険な作品です。
じっくりと腰を据えて遊ぶ本格派のRPG…時間のあるお正月休みの内に是非どうぞッ!

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