「テイルズオブゼスティリア」は本当にクソゲーなのか?【クリアレビュー・評価】

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情熱が世界を照らすRPG「テイルズオブゼスティリア」をクリアしました。

『ドラクエ』や『FF』にも言える事ですが、歴史の長いシリーズものに対するユーザーの期待値は想像以上に大きいです。そして、それが期待に沿うものでなかった時の反動は更に凄まじい。

Amazonレビューも荒れに荒れていて、まさに大炎上

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テイルズ オブ ゼスティリア」(Amazonカスタマーレビュー※画像は2015/2/27のもの)

確かに「なるほどな!」と思える意見もありますが、炎上目的の悪戯コメントが多いのも事実です。実際にプレイした人が不満に思って低評価や酷評するのは全然問題ないですが、炎上目的のいたずらコメントによって、その真の声が埋もれてしまうのは本当に残念な事です。

この[Amazonカスタマーレビュー]が正常に機能しているとは、私にはどうしても思えないので、今回は記事にする事に決めました。本当はサクッとレビューして終わるつもりだったんだけどなぁ~。

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ストーリーについて

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「人間」と目には見えない隣人「天族」が存在する世界『グリンウッド大陸』を舞台に繰り広げられる『情熱』や『熱意』をテーマにした作品。

『天族』・『穢れ』・『遺跡』・『導師の伝承』など調理次第で面白くなりそうな要素がふんだんに盛り込まれているが、それを活かしきる事ができなかったというのが本音です。

私が一番問題に感じたのは中盤の中だるみ感です。序盤で張った複線を全て終盤まで放置して、一気に回収するという構成に問題があったように感じます。中盤退屈で終盤イベント多すぎて食傷気味でした。

あと、説明されなかった要素に関しても気になりました。穢れきった天族が『ドラゴン』になってしまう理由。浄化の力がなくても憑魔に対抗できる謎の銃「ジークフリート」の正体など。

特に、「ジークフリート」に関してはストーリーに深く関わってくるアイテムなので、何かしら説明は欲しかったです。(「ザビーダ」に思いを託した天族達の力を弾に封じ込めた代物だったのかな?と勝手に想像してみたり…。)

『穢れる・穢れない』に関しても判定が曖昧でなんとも言えない要素になっていました。主人公PTだけでなく、「セルゲイ」や「ルーカス」などの人間サイドの視点も物語に取り込もうとした姿勢は個人的に良かったと思います。

結果としては難しい事を表現しようとして失敗した、そんな印象ですね。

キャラクターについて

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これは個人的な好みもありますが、「ジイジ」や「メーヴィン」などのおじいさんキャラクター達は良かったと思います。特に「ジイジ」役の「永井一郎」氏の優しくも厳しい演技は本当に素晴らしかったです。

PTキャラクターでは「津田健次郎」氏が演じる「ザビーダ」が一番のお気に入り。良いキャラだけに、もっと序盤から掘り下げて欲しかったです。「エドナ」の兄である「アイゼン」がらみのストーリーも、もう少しやりようがあったように感じます。

主人公達の行動に至る理由付けが終始不明瞭で、プレイヤーが不安になってしまう部分もキャラクターの魅力を損なう要因になっている気がしますね。「ロゼ」の暗殺者なのに穢れないという設定も、もう少しキチンと説明があれば、印象もかわっただろうに…。

良いキャラクターは揃っているけど、全体的に掘り下げ不足。
逆に言うと欲張りすぎて消化しきれなかったという印象です。

音楽について

音楽は力を入れているという事前の情報どおり良く出来てました。「4つの試練神殿」・「ザビーダ戦」・「ティアマット戦」のBGMは特に印象に残っていますね。どれもTHE「椎名豪」って感じのBGMで期待通りの出来だったと思います。

バトルシステム

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天族の力をその身に纏って力を得るシステム「神衣/カムイ」の存在がこのゲームのバトルシステムの肝になっています。

「神衣」に関して、私はわりと肯定的な意見を持っていて、普段なら1キャラクター固定で最後まで遊んでしまいがちなテイルズで様々なバリエーションのバトルスタイルを自然に体験できるようになっているのは良かったのではないでしょうか?(当然、やりこむ人は全キャラ操作したりするんだろうけど…。)

戦略もくそもない連打ゲーという意見を結構目にしますが、弱点と耐性を意識せずに戦うと敵の硬さもあって時間ばっかりかかってしまいます。弱点耐性を把握する為にアナライズ機能も自然に使用する事になるので、少なくとも連打ゲーではないと思いますね。

あと、「神衣」のシステムの関係上PTが固定されてしまうという意見に関しては、確かに「スレイ」と「ロゼ」は固定されてしまいますが、他のキャラクター(天族)に関しては、まんべんなく使用する事になるので、そんなに不満はなかったです。

画面端のカメラや一部処理落ちは確かに気になりましたが、戦闘システムに関してはそこまで悪いものでもなかったです。(成長要素やバトルシステムの詰め込み過ぎがあった事は間違いないですね、ここはもう少し綺麗に整理できていればよかったね。)

アフターエピソード「瞳にうつるもの」

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当初1300円でDL販売する予定だった追加エピソード「-瞳にうつるもの-」
火消しの為に急遽期間限定で無料配信されたので、こちらもプレイしました。

「ロゼ」による「仲間じゃないよ。とっくに」発言や「そぞろ涙目のアリーシャ」という真名を付けたという悪ノリが、火消しどころか更なる炎上材料として話題になっています。

発言だけ見ると、確かに「ロゼ」は嫌な奴に感じるかもしれません。しかし、「ロゼ」なりに考えあっての行動や発言なので、実際にプレイするとそんなに胸クソシナリオではありませんでした。

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本当は「スレイ」達と一緒に冒険したかったが、足手まといになっている事を悟り自ら身を引いた悲劇のヒロイン「アリーシャ」

それ以外の要素でも同情できる設定が確かに多い。しかし、そんな境遇にありながらも仲間と離れ、王女として騎士として政治家としての役割を必死にこなそうとしている彼女の立ち位置に違和感は感じません。確かにフォローがなさ過ぎて可哀想に感じる部分もありますが、逆に言うとこの作品で唯一明確に描かれたドラマだと思うんですよね。

そもそも「ロゼ」と「アリーシャ」は仲間という枠には入っていますが、顔を合わせたのはほんの数回だけです。そんな二人の絆を短期間で表現する為には、「一度衝突させるしかない!」という作り手の判断だったのだと思います。結果としては誤解を招いて更なる燃料になっただけでしたが…。

追加ダンジョンはやたら長くて途中でダレてしまったというのが本音です。

追加DLCという形ではなく、本編にうまくこのエピソードを組み込むことが出来ていれば、評価もまた変わったかもしれませんね。(1300円という価格設定も強気すぎる。)

ダウンロードコンテンツについて

序盤で離脱してしまうキャラクターのコスチュームを有料で配信していた事に関しては酷いとしか言いようがありません。購入してしまった人達は本当にご愁傷様でした。

元々、『バンダイナムコ』のDLCは酷いですが、今回は特に酷かったです。
(経験値とかステータスをDLCでばら売りしていること自体私は不健全だと思っています。)

管理人がつける星はいくつ!?

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DLCやストーリーの掘り下げ不足など、批判を重く受け止めるべき要素も多々ありますが、この炎上具合はちょっと盛られすぎという印象はやはり捨て切れません。

私の正直な感想としては、『ちょっと惜しいところもある退屈なRPG』
星を付けるなら2つが妥当なところだと思います。

長く続いた人気シリーズがこれで終わってしまうのは非常に残念な事なので、この失敗をバネにして次は大きく弾んで欲しいです。改めて、シリーズものに対するファンの期待や不安がとてつもなく大きいものなんだという事を再確認させられる作品でした。

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