映画『岸辺露伴ルーヴルへ行く』のネタバレ無しの感想・レビュー記事!
もはや年末の恒例行事(作品)になりつつある『岸辺露伴は動かない』シリーズが遂に映画化!
この世で最も『黒い絵』の謎を求め、岸辺露伴がルーヴルへ!
「いや、滅茶苦茶動いとるやないかい!」
―――って無粋なツッコミをしたくなる気持ちをグッと抑えつつ、ネタバレ無し感想スタート!
映画『岸辺露伴ルーヴルへ行く』感想・レビュー
この世で最も「黒い絵」という掴みの強さ
「この世で最も『黒い絵』って知ってる……?」
PVの冒頭にも使われている印象的な台詞ですが、もうこれだけで掴みとしては最強クラスで、耳にした多くの人が、「どんなだ?」「そんな絵あるの?」という知的好奇心で一杯になるはずです。
この『問い掛け』が受け手である我々に根付いた時点で仕掛けは成立していて、その答えを求めて我々は映画に夢中にならざるを得ないんですね。しかも、作中のキャラクターたちと同じ疑問を共有する事によって、圧倒的に感情移入し易くなるというオマケ付き!
まぁ、原作ありきなので最終的には荒木先生が凄いって話になるんですが、映画化するに際し、ここが一番のフックになるって事を把握しているってだけで、相当信頼できるのは確かです。
ルーヴル美術館贅沢なロケーションと面白い画角の数々
ルーヴル美術館完全協力で撮影されたロケーションは圧巻の一言!
『ダ・ヴィンチ・コード』等、過去にもルーヴル美術館を舞台とした映画作品はありましたが、実はルーヴル美術館での映画撮影許可って中々下りないらしく、過去累計でも4作品目との事。
工夫によって漫画原作映画(邦画)特有のチープさを完全回避
原作やアニメ版に引っ張られる事なく、独自の路線で露伴ワールドを展開する本作。
CGや特殊メイクの使用を極力避けたり、『スタンド』等、イメージが先行してしまう言葉を排除する等、徹底的な工夫と配慮によって漫画原作映画(邦画)特有のチープさを完全回避しています。
ここまで徹底してしまうと、「逆に完全に別物になってしまう……」という裏目も当然ありそうですが、それでいて原作へのリスペクトはちゃんと感じられるんだから凄い話ですよねぇ……。
原作漫画からの丁度良い塩梅の改変が気持ちいい
原作のストーリーから大きく逸脱する様な変更点はありませんが、キャラの追加・台詞の意図的なカット等、実写映画である事を強く意識した改変が散見されました。
―――こういう改変って、「なんでこんな余計なことするんだよ……」って感想で落ち着く事がほとんどなんですが、本作はそこもかなり絶妙で、足した部分はちゃんと補足として機能している上で邪魔になっていないし、引いた部分に関してもちゃんと引く意味が感じられる様になっています。
ネタバレになるので多くは語りませんが、泉くん(泉京香)周りは今回も良い仕事してましたね。
最大の武器にして最大の弱点。高橋一生演じる岸辺露伴が魅力的過ぎる!
これどういう事かと言うと、高橋一生演じる岸辺露伴が魅力的過ぎて、逆に出てないシーンが退屈になってしまってる気がするんですよね。まぁ、普段のドラマ版なら30分でほぼ出ずっぱりだから問題ないんですが、今回みたいに過去編とか挟んじゃうと結構気になっちゃったんですよね。
いや別に、青年期を演じた『はなにわ男子』の長尾謙社さんが悪いって話では全然ないんですが、やっぱり高橋版の露伴ちゃんを浴び続けたいんだよなぁ……。
でもまぁ、高橋さんに17歳の役をやってもらう訳にもいかないですし、これが最良の択だったんだろうなぁ……(;^ω^)
漫画原作実写の一つの解答がここにある
『岸辺露伴は動かない』シリーズの中でも屈指の名エピソードという事で、実は結構期待値高めで観に行ったんですが、その期待にちゃんと応えてくれる傑作でした。実際、実写化のハードル自体はかなり高めの作品だと思うんですが、本当に毎度うまくやるなぁ……(関心)。
とりあえずドラマ版のファンなら間違いなく楽しめる作品なので、是非劇場でどうぞ!でっかい画面の方がルーヴル美術館も映えるしね!
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