【風立ちぬ・感想/レビュー】「宮崎 駿」監督の創作への想いが詰まった長編引退作品

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金曜ロードショーにて、スタジオジブリ作品「風立ちぬ」を観ました。

上映当時、色々と忙しくて見逃していた作品で、今回が初めての鑑賞となります。結論としてはもっと早く観ておけば良かったという感想なんですが、色々と感じた事があるので書き記したいと思います。

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「風立ちぬ」という物語

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「風立ちぬ」は『零戦』を設計した「堀越 二郎」という実在した人物をモデルに、作家「堀 辰雄」の小説「風立ちぬ」から着想を得て作られたフィクション作品です。

時代背景は「関東大震災」・「軍国主義」と非常に重く
更には、ヒロインが「結核」であるという高難易度設定。

しかし、設定に反して画面から伝わってくる地震や戦争の悲惨さはものすごく希薄です。

「何故か?」

それは、この作品のテーマが「戦争」や「地震」ではなく、「宮崎 駿」監督の『創作』に対する思いと答えを表現する為の作品だからです。

空への憧れ

「宮崎 駿」監督作品といえば、「空」や「風」をイメージさせる作品が多いですよね。
「ナウシカ」も「ラピュタ」も「紅の豚」も「トトロ」ですら空を飛ぶのだ。

空への憧れは「宮崎 駿」監督の創作への原動力なんでしょうね。
「松任谷由実」氏の主題歌「ひこうき雲」もぴったりな訳ですよ。

印象的だったもの

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『風立ちぬ』はタイトルにもあるとおり、物語が「風」と共にやってきます。思い返してみると、「紙飛行機」・「帽子」・「パラソル」が飛ぶシーンなど、重要で印象的なシーンがとても多かったはずです。

他にも、主人公がメガネを付けているという事もあって、レンズ越しの表現が多用されてましたね。過度にも感じるほどの湾曲感がとても印象的でした。

あと、謎のお菓子「シベリア」のインパクト!
気になった人も多いのでは!?

「シベリア」に関しては、お友達のブログである「スナライム」さんにて詳しく解説されているのでそちらをどうぞ!(「折り紙」から「暮らしの節約術」まで幅広くカバーしてくれる為になるブログですぞ。)

「堀越 二郎」というキャラクター

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主人公「堀越 二郎」は、美しい飛行機を設計するという夢を追い続ける生粋の「エンジニア」です。それ以外の事には本当に無関心で不器用。

最愛の人である「菜穂子」に対する愛情表現も非常に簡素なもので、紡ぐ言葉は「愛してるよ」と「綺麗だよ」の二言。「美穂子」が病に苦しんでいても、やはり一番に優先するのは飛行機の事。

だからと言って「菜穂子」に対する愛情が嘘だと言う訳ではなく、これが彼の精一杯なんです。
「夢」と「愛」の間で揺れる不器用な「創作家」というキャラクターをうまく表現できていたと思います。

「菜穂子」という存在

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結核に苦しみながらも、「二郎」を支えた妻「菜穂子」

「二郎」と「菜穂子」のシーンはどれもファンタジーと思えるほどにロマンティックで運命的です。これは「黒川婦人」の「美しいところだけを好きな人に見てもらったのね」という台詞に集約していて、「二郎」にとって「飛行機」と同等な程、尊く美しい存在だったのだと思います。

とても強い女性として描かれていましたね。
ジブリヒロインは強くて美しい女性が多いですなぁ。

二つの憧れに自分を投影した作品

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夢に生きた「堀越 二郎」と、愛に生きた「堀 辰雄」。

二つの憧れに、「宮崎 駿」監督自身を投影した物語。
それが『風立ちぬ』という映画の本質なんじゃないでしょうか?

少なくとも、私はそう感じました。

「次郎」の声優に「庵野」監督を抜擢したのも、こういう理由があったんじゃないかなぁ~。
もう少し若ければ、自分自身がやりたかったのかもしれませんね…。

「零戦」が完成した日に「次郎」が言った台詞。
「菜穂子がいてくれたおかげだよ…。」

この台詞には、今まで「夢」と「仕事」を追い続けてきた、「宮崎 駿」監督自身の家族に対する、「贖罪」と「感謝」の気持ちが込められているような気がしました。

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