初週3万本からのじわ売れで遂に10万本を突破した話題作『十三機兵防衛圏』をクリアしました。
発売から既に2か月が経過している為、今更クリアレビュー・評価とか必要ない気もしますが、まだまだ売れて欲しい作品なので記事にしてみました。
ネタバレ位では面白さは揺るがない作品ではありますが、未プレイの方の新鮮な楽しみを守る為に今回はネタバレ無しの記事となります。なお、ネタバレアリの記事は近々のタイミングで出したいと思っているので、そちらはそちらでよろしくお願いします。
内容に触れない分、ゲームとしての良点・特異といえる部分・ヴァニラウェア作品のお約束・システムの解説などに焦点を合わせて語っていきます。未だ購入に踏み切れていない人は良かったら参考にしてみて下さい。
©ATLUS ©SEGA
十三機兵防衛圏:クリアレビュー
ゲーム概要・クリアまでの時間など
ジャンル |
ジュヴナイルSFアドベンチャー |
クリアまでの時間 |
ストーリークリア35~40時間 やりこみ要素+5時間 |
オススメポイント |
ADV作品の新境地 ヴァニラウェアの本気 後世にまで語り継がれる名作 |
公式サイト |
十三機兵防衛圏 |
3編からなる特殊な構造
『十三機兵防衛圏』は、「追想編」「崩壊編」「究明編」という独立した3つのパートで構成されています。ここでは各パートについて簡単に解説していきます。
「追想編」:物語を追うためのアドベンチャーパート
13人の少年少女の視点で描かれる本作のメインモードとなるアドベンチャーパート。
どのキャラクターを選んで読み進めていくかはプレイヤーの選択次第、どんな順番で進めても不都合なく物語を展開・把握できるように作られています。
基本的にはテキストADVですが、キャラクターの移動・チェック等は全てアクション操作で行います。
直感的な操作性によるメリットは色々と考えられますが、一番の恩恵は自由ゆえの没入感にあると私は感じました。思考を可視化する「クラウドシンク」システムの助力もあり、その没入感はより高いものに仕上がっています。なお、ストレスフリーなUI・操作性というのも大きかったです。
「崩壊編」:タワーディフェンス風のシミュレーションパート
世界防衛の拠点たる「ターミナル」への「怪獣」進行を食い止めるバトルパート。
編成した「機兵」を使い次々に現れる「怪獣」の進行を食い止めるのが本パートの核となります。
かなり簡素な画面作りではありますが、これは「怪獣」の脅威・防衛の苛烈さを視覚的に表現する為の工夫であり、簡素ゆえの物量とテンポの良さを実現する事が出来ています。
「崩壊編」の存在を疑問視する声も中にはありますが、ここをテキストのみで表現しきるのはそれはそれで至難の技です。テキスト量も膨大になるし、やり方次第では途端にチープ化する危険性もある為、「怪獣」という非現実に説得力を持たせるにはうまいやり方だと個人的に感じました。
「崩壊編」で実際に防衛を体験しているからこそ、物語に説得力や厚みを感じれた・・・と私は実感しています。
なお、『崩壊編』の難易度は『カジュアル』『ノーマル』『ストロング』の3つから自由に選べます。シミュレーションが苦手な人は『カジュアル』で手軽に楽しむと良いと思います。※トロフィーやエンディングに難易度は関係ない。
なお、レベル・改造・編成等、シミュレーションゲームの基本となる要素は一通りカバーされています。難易度『ストロング』なら歯ごたえもあるので、そういった需要にもこたえる事が出来るのではないでしょうか?なお、クリア後にやりこみ要素として追加ステージがアンロックされます。
「究明編」:すべてを紐解くアーカイブパート
「究明編」は、用語集やチャートの把握などに役立つアーカイブパート。
用語集やチャート等はADVの定番要素ではありますが、本作ではそれを本編のより近い部分に配置しているのが特徴です。
これの何が良いかと言うと、ハッキリ言って用語集とかチャート表って相当やりこむ(読みこむ)人じゃないと読み飛ばす事がほとんどだと思うんです。しかし、パートとして本編に組み込むことでより身近になる=読むという構図が本作では成立しています。
「究明編」の解明・アンロックが「追憶編」の進行に関わる部分もあるので、単なるアーカイブではありませんが、基本的には物語を把握するためのお役立ちパートと思ってくれて大丈夫です。※「究明編」のアンロックには「崩壊編」でゲットできるアンロックポイント等が必要です。
これはクリアした後の話になりますが、クリア後に「究明編」の全体チャートを読み直すと色々捗ります。細かい疑問や前後関係が一気に補完できるので、最後に一読する事をオススメしておきます。
魅力的なキャラクター・舞台等、圧巻のビジュアル
神谷社長率いるアーティスト集団『ヴァニラウェア』が描く圧巻のビジュアルは本作でも健在。
毎度の事ながらどこを切り取っても絵になる作風は本当に凄いの一言。今回は十八番であるファンタジーとはかけ離れたジャンルにも関わらず、見事な世界を展開してくれました。
推しキャラが必ず見つかる個性豊かなキャラクター陣
「これだけ人数いれば一人くらいはヒットするキャラクターもいるでしょ・・・」って事ではなく、数が多いうえにヒット率が高いから凄いのだ!
メインの13人は勿論みんな好きだし、脇役たちもホント魅力的なんですよね。
勿論、一癖も二癖もあるキャラクターも中にはいますが、そういう部分も含めて愛せるキャラクターが本当に多い!マジで推せるッ!
これはキャラクター一人一人をきちんと掘り下げたスタッフの皆さんの努力の賜物なんでしょうねぇ・・・(感謝しかない)。
中でも比治山くんと緒方君は個人的に超推しキャラです。比治山くんのシナリオをプレイすると「焼きそばパン」が食べたくなるので、プレイ前に用意しておくと良いぞ!(私はコンビニに買いに行きましたw)
△焼きそばパン等、色んなものに翻弄される男。面白いけど熱い。
△不器用だけど優しいリーゼント枠。喧嘩がめちゃ強い。
機兵や怪獣のデザインも秀逸です
「怪獣」や「機兵」のデザインも秀逸で、アーカイブで武装等を眺めているだけでも楽しいです。
「怪獣」の本来の用途、「各機兵」の想定される役割など、何気ない設定も物語に関わってくる部分があるので目が離せません。
個人的にプラモや可動フィギュアになったら欲しいと思えるくらいのドンピシャデザインでした。
ヴァニラウェアお約束の美味しいごはんも勿論必見!
ヴァニラウェアお約束の美味しい御飯も必見。
学校帰りの買い食い・学食のパン・懐かしのパックドリンク自販機・・・なんであんなに美味しそうに見えるんだろう(笑)。
個人的に今回のナンバー1は、ダントツで「焼きそばパン」でした。みんなも「焼きそばパン」の活躍をしかと見届けてくれ!
複雑に絡み合う物語。13人の視点を交差しながら世界に潜む謎を追え
ストーリーについては本記事では触れないと決めたので、マジで一切触れません。なので最後に一言だけ。
『十三機兵防衛圏』は、物語・ビジュアル・音楽等々、全ての要素が高水準な作品です。一部分だけ突出している的な要素が一切なく、全てが満遍なくよくできています。
中でもやっぱりビジュアルは目を見張る出来な訳ですが、それも物語に説得力を付与する補助機能としての役割を担っています。
圧巻のビジュアル・隅々まで配慮された音回り・整合性のとれた物語等、どの要素をとっても本当に良く出来ている・・・。もう、そうとしか言えない傑作です。
ストーリーについて言及できないのが残念でしょうがないですが、まぁ、とりあえず自分でやってみて下さい。絶対に後悔はさせません。
追伸:SF作品ですが、恋愛物としてのレベルも高いです。
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『プリンセスクラウン復刻版』は勿論ですが、『デジタル・アートワークス』が本当に良く出来ている。
中古も大して安くなって無いので、今買うなら断然新品ですよ!奥さん!
新時代のADV誕生。しかし真似しようとして真似できる作品ではない
間違いなく新時代のADVスタンダードになるべき作品だと思うのですが、真似しようとして真似できる作品じゃないと思うんですね。
この水準でテキストADVを量産するって正直コストに見合ってないと思うんで、まぁ、早々出てくる作品ではないっすよね・・・。
この時代、このタイミングでこの作品に触れられたことに感謝。そして、一人でも多くのゲームファンに触れられ、もっともっと評価される事を祈ります。
コメント
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焼きそばパンだけは認めざるを得ない
キャラクターが表情豊かで良いですよね、ストーリーもえっ!どうなってんの!?と驚きが多く続きが気になるしどのキャラのストーリーをやろうかと悩むのも楽しい
いいですよねー
もっともっとたくさんの人に遊んでもらいたい作品でした。もっと広がれー!
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