『メグとばけもの』評価・レビュー｜泣いたら世界終了！最強×最弱のアドベンチャーRPG！

「少女が泣いたら世界滅亡⁉」

―――そんな冗談みたいな設定のアドベンチャーRPG作品『メグとばけもの』をクリアしました。

素朴なドット絵と素敵な音楽によって紡がれる、少女「メグ」とばけもの「ロイ」の物語。『魔界』と呼ばれる薄暗い世界を舞台に、凸凹コンビの冒険が今始まる!!

「くまのレストラン」のOdencatが、『モンスターハンター』シリーズの楽曲で有名な裏谷 玲央氏とタッグを組んだ初作品！こんな良作がたったの1650円で遊べるなんて、マジでスゲェ時代だぜぇ！

『メグとばけもの』評価・レビュー

少女が泣くと世界が終わる ー 魔界に迷い込んだ人間の女の子「メグ」とそれを守る魔物「ロイ」の物語。素朴なドット絵と美しいサウンドで描かれるアドベンチャーRPGです。

メグとばけもの公式サイト引用

少女とばけものの交流を描くハートフルストーリー

簡単に説明するなら、『魔界』と呼ばれる場所で迷子になった少女「メグ」と、最強のばけもの「ロイ」が出会い、色んな問題に直面しながら「メグ」を母親の元へと送り届けるという物語。

「泣いたら世界滅亡！」って事で、最初は渋々面倒を見ていた「ロイ」が、徐々に徐々に変化していく姿が本当に尊くて、それにガンガン懐いていく「メグ」がまた愛らし過ぎるんですよね。

▲ゴミ捨て場で見つけたトランプで遊ぶロイとメグ。ルールは知らないのでオリジナル。

▲お馬さん遊びにご満悦のメグ。友人のゴランに目撃されて固まるロイ

▲メグの母親を探して結構遠くまで来た3人。果たしてメグは母親の元に帰れるのか！？

基本的には、「メグ」「ロイ」「ゴラン」の3人を中心に物語が進行していくのですが、『魔界』にはまだまだ個性的で魅力的なばけものがいっぱい！

▲メグに一目ぼれしたやべーやつ。でもロイがいれば安心！

―――時には危険な目にも合うけど、大好きな仲間がいれば、大体は素敵な出会いに早変わり！

特に、魔界を統括する評議会のメンバーである「グスタフ」「ナンシー」「レン」「セバス」の4人は、主人公3人に負けず劣らずの魅力を放つキャラクターで、きっと好きになれるはずです。

そんな愉快な仲間たちとの出会いを繰り返しつつ、「メグ」と「ロイ」の冒険は遂に地上へ……。

―――というのが中盤までの物語なんですが、そこからがまたとっても良く出来ていて、良い意味で予想を裏切る展開の連続で、最後の最後まで楽しませてくれる作品に仕上がっています。

おもちゃが勝利の鍵？最強×最弱のコマンド戦闘！

アドベンチャーRPGという事で、イベントに付随する形でバトルもしっかり存在しています。

―――とは言っても、ロイは最強のばけものなので、普通の敵相手に遅れをとる心配は皆無！

ご覧の通り、HPは最初から99999のカンスト状態です！

―――しかし、普通の少女であるメグにとって、魔界のばけもの達は驚異以外の何物でもなく、いくらロイが守ってくれてるとは言え、心細くなったり不安になったりしてしまいます。

「……このままではメグが泣いてしまう！」

―――そんな時に役立つのが、魔界のあちこちで見つけた「おもちゃ」の数々。

戦闘中ではありますが、「おもちゃ」で遊んであげる事で、メグの心ゲージを回復できます。

―――といった具合で、一部例外はあるものの、実質メグの心ゲージがHPという訳ですね。

まぁ、戦闘の難易度自体はかなり低めなので、ゲームが苦手な人でも一切困らないでしょうし、ゲームオーバーになったとしても、その場からすぐリトライできる親切設計なので安心です。

―――この、言わば『最強と最弱』がコンビを組むという発想が実に面白くて、それでいてストーリーとの親和性も高く、「本当に良く出来てるなぁ……」と、感心してしまいました。

『回復』というRPGにおける当たり前の行為に、ちょっとしたアイディアで深みを持たせる。

これは発想の勝利と言わざるを得ません！

世界観を掘り下げるような収集要素・イベント等のやり込み要素が欲しかった

―――とまぁ、ここまで褒めちぎって来た訳ですが、最後にちょっとだけ要望を！

今のままでも十分満足できる作品ではありますが、欲を言うなら、世界観を掘り下げる為の収集要素・イベント等のやり込み要素があれば、もっと嬉しかったですね。

―――と言うのも、メグとロイの物語自体は本作で完結しているものの、この世界を取り巻く問題・作中に登場する『謎』等、語られていない要素がいくつか残っているのも事実です。

……まぁ、別に全てを語る必要は無いですけど、そう思える位には魅力的な作品だったという話で、もっともっとこの世界に浸っていたいなぁ…っていう筆者の単なるわがままですね。

現物のサントラはBOOTHで購入可能です

▲筆者が実際に購入したサントラ。手紙が付いててホッコリしました。

オリジナルサウンドトラックのDLは、steamまたはBOOTHで可能。※以下steamリンク。

なお、現物の円盤（サウンドトラック）が購入したい場合は、BOOTHの裏谷 玲央(Reo Uratani)officialshopで購入可能です。これには円盤厨の筆者もニッコリ!!

本作の音楽は、「きれい×きたないの融合」というコンセプトの元に制作されているのですが、それが何とも魅力的で、唯一無二の存在感を放っています。

それらコンセプトの一端は、公式YOUTUBEや公式サイトでも楽曲の魅力を体験する事が出来る様になっているので、そちらも合わせてチェックしてみてください。超オススメ！

このゲームにピンと来る人には特にオススメ！

きゃすと

ビジュアルから受ける印象通り、かなりMOTHERライクな作品です。可愛い見た目に反して結構ハード！油断してるとブスリと刺してくるので要注意！でも、最後の最後にはちゃんとホッコリできるので安心！

この面白さで1650円はマジで破格！驚異の満足感

きゃすと

ゲームボリューム自体はかなり少なめですが、プレイ後の満足感はかなり高め。サクッと濃い目のゲーム体験をしたい人にはうってつけな作品です。ビジュアルやBGMに惹かれた人なら大体刺さる内容だと思うので、公式サイトやPVを観て「ビビビ」と来るなら迷わずGOです。