フランスのゲームスタジオ『DONTNOD』が開発して『スクウェア・エニックス』が日本向けにローカライズした、【時間もの】ADV『LIFE is STRANGE(ライフイズストレンジ)』をクリアしました。
【時間もの】という過去の名作たちがひしめき合うテーマにあえて飛び込んでいくハングリースタイル。そして、海を渡って聞こえてくる海外ゲーマーによる高評価の数々。
正直、遊ぶ前からハードルが高くなり過ぎて、半ば不安だったのですが…
「HAHAHA、そんなもんは全くの杞憂だったよ!!」
上がりに上がった管理人の期待値ハードルを八艘飛びで越えていった傑作。ADV好きなら絶対に見逃せないタイトルです。
∇ゲーム情報
- プレイ環境:【PS4】
- プレイ時間:【10時間前後】
- 公式サイト:【LIFE is STRANGE】
「時間もの」いいえ「青春もの」です
PVなどから受ける印象は、”内気な女子高生が突如時間を操れる能力を手に入れて、その力を駆使し災厄に立ち向かっていく”といったものだと思います。
もちろんそういった側面を持った作品ではありますが、本作は「時間もの」というよりは「青春もの」と言った方が的確です。
平凡な日常に非日常(タイムリープやバタフライエフェクト)を加味する事で、その当たり前が尊いものだったという事に初めて気づく…。
友達や家族といったかけがえのないもの、過ぎ行く時間の中にある厳しさと優しさ…。
プレイ中は本当に様々な感情が頭の中に渦巻いていました。
また、主人公を18歳の女子高生に設定したのも多感な思春期という一生に一度しかない貴重な時を表現するには最適だったと思います。
いい年した大人でも感情移入できるんだから、同年代や同性ならもっと感情を揺さ振られるんじゃないかなぁ~
複数に枝分かれするが最後は一つの道、2つの選択を迫られるストーリー
「時間を巻き戻すことができる。」
こう聞くと数多に存在する選択肢をつむいでマルチな結末を迎える事ができるように感じるかもしれませんが、本作は基本的には一本道です。
選択肢自体はたくさん存在しますが、あくまで大きな流れの中の小さな変化に過ぎず、結末に影響を及ぼすような選択は本当に最後の最後に存在するのみです。
マルチなエンディングを期待する人からすると肩透かしに感じるかもしれませんが、個人的には本作はこの方式で良かったと思ってます。
大きな流れに逆らう事はできなくても、自分の選択によって世界は確かに変化している…そんな小さな発見の連続も本作の魅力の一つです。
緻密な時間的ロジックに感嘆する作品ではない
【時間もの】と言えば、相関的な矛盾点を極力排除する事で受け手に納得・感嘆させるようなものが好まれる傾向にあると思います(管理人ももちろんそういう作品は大好物です。)
…が、本作にはそういった説得力の高い整合性ロジックは存在しません。
しかし、そんな事は些細な問題です。
本作の面白さの本質は緻密な時間ロジックや力の解明ではなく、過ぎ去りし時間・取り戻すことのできないあの日を思って涙する。そんな青春時代の光と影を探求なのだから(熱弁)。
「ここがオカシイ」「辻褄があってない」etcetc等と科学的根拠や受け手を納得させるような説得力を求めるのは野暮なのです。(※意見には個人差があります…。)
カメラなど技術的な部分に改善の余地を感じる
画像ではちょっとわかりにくいですが、操作時のカメラアングルが非常に悪いです。
後半になると慣れてはきますが、基本的にキャラクターに近く上向き気味なアングルが画面把握の妨げになっています。オブジェクトのチェック項目もキャラクターに被って見えないなどもしばしば…。
プレイ中にフリーズする事もあったので、カメラアングル以外にも技術的な改善点は多いです。まぁ、低予算なタイトルだし、しょうがないといえばしょうがない。
年齢・性別を問わずオススメできる作品
往年の【時間もの】の名作アドベンチャーゲームと十分に肩を並べられる傑作であり、プレイヤーの年齢や性別を問わないという点も好印象で万人にオススメしやすい作品でもあります。
得るものが多く、グッと考えさせられるようなアドベンチャー作品をお探しの貪欲なそこの君!
「君の探している作品はここにあるぞ!迷わず飛び込むのだ、時間は待ってくれないのだから…。」
コメント
[…] 関連記事:【PS4・ADV】『ライフイズストレンジ』評価・レビュー 苦渋の選択が胸を打つ […]