『極限脱出9時間9人9の扉』『極限脱出ADV 善人シボウデス』の正統続編に当たる「極限脱出」シリーズ最新作『ZERO ESCAPE 刻のジレンマ』をクリアしました。
一作目である『999』の発売が2009年なので、およそ7年越しのシリーズ作品。設定や世界観がただでさえ複雑な上にこれだけ長いスパンでやってるので、一見さんは完全にお断りムードって感じになっちゃっていますが…ファン的には本作も中々に楽しめました。
完結作だったらもっと良かったんだがなぁ~(しみじみ)
∇ゲーム情報
- プレイ環境:【PSvita】
- ジャンル:【脱出×サスペンス】
- プレイ時間:【20時間~個人差有】
- 公式サイト:【ZERO ESCAPE 刻のジレンマ】
生死を賭けた脱出ゲームと究極の決断の連続
ゲーム構成は過去シリーズと同様。基本的にアドベンチャーパートでストーリーが進行して、その間に挿入される脱出ゲームをこなしていくというもの。脱出ゲームの最後には生死を分けるDicisionゲームが待ち構えています。(理不尽な二択の連続!!)
謎解き難易度に関しては『999』よりも難しくて『シボウデス』よりも少し簡単って印象でした。
個人的には謎解きよりもアイテムの収集漏れで足踏みする場面が多かったかな~w
絡まった伏線と謎を紐解くストーリー
ゼロを名乗る謎の人物によって男女9人が監禁されて命を賭けたデスゲームを強制させられる流れはいつも通りですが、本作の見所は何と言っても怒涛の伏線回収…これに尽きます。
回を重ねる毎に増えていき蓄積した謎、そして、張り巡らされた伏線の数々をこの一作でほぼ回収するという超離れ技!良くぞきちんと着地させたな~ってのが正直な感想。
終幕に向かって繰り広げられる怒涛の展開は正に驚きの連続!全ての謎や疑問に決着がついた訳ではありませんが、情報量はかなり濃密です!
親切なシステム そして、それすらも逆手にとる巧妙なロジック
数多に枝分かれするエピソードの数々を一目で把握できるフローチャート。物凄く複雑な構成のゲームですが、これのおかげで進行上戸惑うことはほとんどありませんでした。しかし、そんな親切なシステムをも逆手にとるとは…。驚きです!!(詳しくは自分の目で確かめてね!)
概ね良好だったシステム回りですが、唯一つメモ機能だけはいただけませんでした。ほとんど使い物にならないので、序盤から物理メモ帳(実物)最強伝説状態に!(実物のメモ帳に勝る利便性はほぼないので素直にこっちを使うのもアリですな~)
物語に深みを持たせる豪華声優陣による見事な仕事
物語に深みを持たせる豪華声優陣による迫真の演技は必聴!特にダイアナ役の能登麻美子さんは彼女の強さと脆さを絶妙に表現していて素晴らしかったです。エンディングの1シーンでは思わずドキッとする場面も!?
あと、杉田さんのカルロスも叫び演技よかったですぞ~(マッチョ系外国人はハマリ役だねw)
♦その他キャスティングは以下の通り
- カルロス:杉田智和
- 茜:沢城みゆき
- 淳平:鈴木達央
- Q:豊崎 愛生
- ミラ:坂本真綾
- エリック:石田彰
- ダイアナ:能登麻美子
- ファイ:小見川千明
- シグマ:小野大輔
- ゼロ:???
- ガブ:ワンワン
シリーズの流れを復習しよう!(過去作ネタバレ有)
1作目2作目の主人公である茜・淳平・シグマ・ファイは過去作とリンクする部分が多く、本作の面白さを大きく左右する存在です。「もう内容忘れちゃったよ…」って人もたぶん結構多いと思うので、簡単にではありますが、過去作の大まかな流れをおさらいしてみましょう!
※:ネタバレを多分に含むので過去2作品を未プレイの人は自己責任でお願いします。
気になってるけど2本もプレイするのは色々ときついって人は、せめて『善人シボウデス』だけでもプレイしましょう!(お約束です)
極限脱出9時間9人9の扉
物語の9年前に起こった「少年少女連続誘拐事件」で犠牲となった茜(紫)を「形態形成場仮説」を利用して救い出す為に、茜(紫)と兄:サンタが首謀したシリーズの始まり。
沈没船(実際には違う)を舞台にした極限脱出の末、淳平は無事9年前の茜を救い出す。全てを終えて外へと出た淳平は思い人である茜を探すが、そこには既に茜とサンタの姿は存在しなかった…。
本作へのプロローグ
その後、茜を探す為に裏社会へと身を落とした淳平…。必死に探して探してついに茜が今回のDcom実験に参加する事を突き止める。すっかり心は荒んでしまったようだが茜への思いは変わっていないはず!?
極限脱出ADV 善人シボウデス
2028年12月31日にDcom(本作)で起こったとされている凶悪ウイルス【ラジカル6】の漏洩を防ぐ下準備の為に、2074年のシグマ(67歳)と茜(老婆)が共謀したシリーズに二作目。具体的にはファイの意識とシグマ(67歳)の意識を2028年12月25日の過去へと飛ばすことが目的。
本作へのプロローグ
45年もの歳月を賭けた計画を達し、ファイと共にDcomへと潜入したシグマ。だが、具体的に何が起こるのかは分からない。二人はいつの間にかとある計画の渦へと巻き込まれていたのであった…。
総評:過去二作には劣るがそれでも面白い
ゲームとしての完成度は過去2作に劣りますが、謎解きの難易度や謎・伏線回収の鮮やかさなど評価する部分は多分にありました。シリーズを重ねるごとに駄作化するシリーズが多い中、挑戦しつつもファンをきちんと楽しませる姿勢には頭が下がります。しかし、シリーズが長くなりすぎて新規ユーザーが付きにくいという致命的なジレンマがあるのは間違いないと思うので、これからもシリーズを続けるつもりならばトリロジーボックス的なものを用意するべきかもしれません。
まぁ、でも…。そろそろ「極限脱出」シリーズ以外の打越作品も見たいってのが本音かな~!?どちらにせよ良質なアドベンチャーゲームはそれだけで貴重な存在なので、これからも応援していきたいです。
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