【荒木飛呂彦の漫画術 ・オススメ関連書籍】奇妙な映画論と映画の掟にはジョジョのルーツが詰まっている!

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2015年4月17日に荒木飛呂彦先生の新刊「荒木飛呂彦の漫画術」が集英社新書から発売されます。先生の漫画の描き方の秘密がついに明かされるという事で期待している人も多いと思いますが、せっかくの機会なので既刊本もチェックしてみてはいかがでしょうか?

今回ご紹介するのは、2011年に刊行された『荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論』と2013年に刊行された『荒木飛呂彦の超偏愛!映画の掟』の2冊です。どちらも「岸辺露伴」先生の帯が目印です。(初版以外にもキチンとこの帯ついてるのかな…。)

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荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論

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荒木先生の漫画作品にも大きな影響を与えたホラー映画にフォーカスを当てた超偏愛的映画評論本。巻頭に掲載されている「荒木飛呂彦が選ぶホラー映画Best20」は正にファン必見!

映画好き「荒木飛呂彦」の視点だけにとどまらず、漫画家・絵描き「荒木飛呂彦」としての創作に対する考え方の片鱗もうかがい知れる良書です。

100タイトルものホラー映画に触れている

「ゾンビ」・「ジョーズ」・「シャイニング」などの有名なタイトルから「変態村」などの少しマイナーなタイトルまで”たっぷり”と触れられています。私の大好きなキワモノゾンビ映画「ブレインデッド」の話題もあって個人的にもニヤニヤしてしまいます。

ホラー映画にはこんなにも種類があるのだ!

基本的に『ゾンビ系』・『SF系』・『不条理系』などホラー映画の中でさらに細分化した系統事に章立てて紹介してくれているので読み物として読みやすく、そして面白いです。

ホラー入門用にもオススメ!

ホラー好き、ホラー嫌いに感じる「極端」

この本の中で特に印象に残ったのは、「ホラー映画好き」と「ホラー映画嫌い」それぞれの中にある、異なる「極端」に関するお話です。「怖い映画は絶対に見ない。」と言う人は結構居ますが、「何故、見ないのか?」という理由をはっきりと語る人は確かに少ない。

最初から「よくない映画だから見ない。」という固定概念がホラー映画嫌いの人に存在するのは事実だと思います。チャレンジしてみて、生理的に受け付けないのは仕方がありませんが、何事も知らない状態で否定から入るというのはホラーに限らず視野を狭める行為なので、確かに残念ですよね。

ホラー映画で迷ったら、ここから選べ!

私も結構な数のホラー映画を観ているつもりなので言わせてもらいますが、この本に紹介されているホラー映画に大きなハズレ作品はないです。勿論ジャンルがジャンルなので”好み”はありますが、この本を読んだ後ならば好き嫌い・面白い面白くない以外の他の何かをきっと感じられるはずです。

この本片手にレンタルビデオ屋さんってのも楽しいかもしれませんね。


Amazon:荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論 (集英社新書)

荒木飛呂彦の超偏愛!映画の掟

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今回はジャンルを問わず様々な映画にスポットを当てているかと思いきや、その挙げた作品の中には必ず先生の「サスペンスの鉄則」が潜んでいるのです!

面白さの根源には「サスペンス」が必ず隠れている!独自の視点から紡がれる言葉は映画という枠にとどまらずエンターテイメントとは何かを教えてくれます。こちらの巻頭には「荒木飛呂彦が選ぶサスペンス映画Best20」が掲載されています。(実は、Best20に収まっていませんw)

エンターテイメントの基本は「サスペンス」

「サスペンス」と聞くと多くの人は『ミステリー』や『ホラー』を連想するとは思いますが、『ラブストーリー』や『コメディ』作品にだって「サスペンス」は存在していて、そして、エンターテイメントの基本は「サスペンス」である!ここまではっきりと言い切れるのは、やはり先生の経験とキャリアがあってこそだと思います。(誤解を招いてはいけないので補足しておきますが、「サスペンス」がない作品は愚作と先生は言っているわけではありません。)

先生がこの考えに至ったルーツを紐解く事で、時代の価値観に左右される事のない不変の法則に私達も近づく事ができるかもしれませんね。

プロフェッショナル同士の戦いに涙する

「男泣きサスペンス」という言葉がとにかくたくさん登場します。先生の「登場人物の悲しみに希望を見出す」という言葉にはただただ納得させられましたね、「確かにそうだ!」って読めば思うはず!?

駆け落ちにシビれる!憧れるゥ!

先生本人がこの台詞をこんな風に引用したら面白いに決まってるじゃないですか!
もうこの見出しだけでも「一体何が起こっているんだ!?ドドドドドドド」って感じですよ。

「やっぱり想像通りおちゃめな一面も持っているな!」
「答える必要はない」

「面白さ」のヒントがここにある

先生が今までやってきた「面白さ」への探求をこんな形で読ませてもらって本当にいいのでしょうか?これを読んだからといって、劇的に絵や文章がうまくなるわけではありませんが、少なくとも創作に対する自分の姿勢を見直す機会にはなるはずです。

数百円で偉大な先人の見て来たもののダイジェスト版が見られるってだけでもラッキーと言わざるを得ません。


Amazon:荒木飛呂彦の超偏愛! 映画の掟 (集英社新書)

荒木飛呂彦の漫画術

荒木飛呂彦の漫画術 (集英社新書)

そして、ついに「荒木飛呂彦の漫画術」が2015年4月17日に発売になります!
これは間違いなくファン必読書になりますね。私も発売日が本当に待ち遠しい…。

抱き合った荒木先生と露伴先生の表紙が目印です。

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