『ファイナルファンタジーヴェルサスXⅢ』として発表されてから約10年。プロジェクト名を変え、タイトルを変え、ついに『ファイナルファンタジー15』が我々の手元へとやってきました。
全世界が待ち望んだ新時代の「FF」
その理想と期待は果てしなく大きいが…果たして!?
∇ゲーム情報・クリアまでの目安
- プレイ環境:【PS4】
- プレイ時間:【ストーリーだけなら25時間前後】
- 公式サイト:【FINAL FANTASY XV】
発見に溢れたオープンワールドでのFF体験
『FF』初のオープンワールド作品として生み出された本作。その広大かつ発見と魅力に溢れた世界観は我々の期待を大きく上回ったものでした。『MGSファントムペイン』の時にも感じた事ですが、海外産ゲームと比べるとオープンワールドという土俵では一歩二歩遅れた日本でもこれだけのものが作れるというのは、純粋に嬉しい事です。
広大なフィールドをただひたすらブラブラするだけで何となく楽しい。そんな、オープンワールドの根源とも言える要素が『ファイナルファンタジー15』にはキッチリと備わっています。また、「オープンワールドって難しそう。何して良いのか分からない。嫌いじゃないけど何となく苦手。」とお嘆きの人でもとっつき易く遊びやすいのは国産ゲー・『FF』の強みなのは間違いありません。
親父から車を借りて、気の合う仲間と独身最後の馬鹿旅行…。(実際には違います)
捉え方は人それぞれではありますが、筆者はここに底知れぬロマンを感じました。
オープンワールドとFFはアンマッチ!?
「ストーリーが何となく物足りない…。」「気づいたら終わってた…。」という意見やレビューをチラチラと拝見しましたが、これは事実。やはり、プレイヤーの進行スピードや進路を制御できないオープンワールドで、従来通りの『FF』プロットを表現するのは中々に難しかったように感じます。
亡国の王子となった主人公の立場としては一刻も早く奪還の為に動きたい。しかし、プレイヤーの視点からすれば、脇道にたくさん用意されているサブクエストやミニゲームの数々に興じたい…。
そんな矛盾の上に成立している本作のストーリー…仕方のない事とは言え、違和感を感じずにはいられません。
また、序盤のんびりしまくってる割に中盤を過ぎると凄く速足になって…気づいた時にはすでに終盤。プレイヤーの心の準備や覚悟完了を待たずして、物語は一人だけ深い所へと行ってしまいます。更に説明不足も相まって、消化不良感バリバリのままラスボス、そして、エンディングへ…。
世界観・キャラクター・演出など、個々で見ると素晴らしいものばかりだっただけに、この消化不良感は非常に残念でした。物語自体の構成にも問題があったようにも感じますが、やはり、オープンワールドには、それに適したストーリーが必要…そう強く考えさせられる体験でもありました。
※:筆者が演出の弱さや説明不足を感じた部分はアップデートにより改善予定との公式コメントがありました。どんな風に改善されるのかが楽しみです。
簡単操作でカッコよく決まる爽快なバトルシステム
レバーと〇と□の組み合わせだけでこれだけ多彩な疑似アクションバトルを表現できるのか…と感心させられる程に良くできたバトルシステム。「FF」の戦闘システムはいつも挑戦的かつ、確実に面白いものを提示してくれますが、本作でもそこは抜かりなくバッチリでした。
武器の組み合わせやアビリティによって無数に変化する戦闘シーンは必見で、最後の最後まで飽きることなく遊ぶことができます。
動画で見るとアクションゲームに見える…でもアクションではない。
言葉にすると簡単ですが、実はコレって凄い事です。
やればやる程好きになる魅力的なキャラクター達
発売まで色々とネタにされて弄られまくってきたノクティス一行ですが、プレイすると「アラッ不思議!」。この黒服の兄ちゃんたちがだんだんと好きなってくるんですよ~(みんな本当に良い奴。)
まぁ、プレイすればまた別の意味でネタにしたくなる魅力に溢れた面々でした。(筆者はイグニスが特にお気に入り!理知的で料理も運転も完璧…最高やな!)
ルナフレーナ様のヒロイン力の高さに脱帽
パーティーメンバー以外でも魅力的なキャラクターの多い本作ですが、中でもヒロインであるルナフレーナ様のヒロイン力の高さたるや…凄いとしか言いようがありません。
ここまで『覚悟完了』しているヒロインキャラは中々にレアです。個人的には大人気のシドニーやイリスよりもルナフレーナ様を推したいッ!(そう、世界に訴えたいッ!)
ミニゲームと侮るな!釣りの世界は奥が深い!
ノクティス王子が最近ハマっているご趣味…それは「釣り」。
これだけ面白かったら、ノクティス様だけじゃなくってプレイヤーだってハマってしまうわ!
ロッド・リール・ライン・ルアーに至るまで設定でき、天候やターゲット次第で得物を変更する本格派ミニゲーム。(猫の餌は俺に任せろ!!)
【釣りのミニゲームが面白いRPGは名作】のジンクス(筆者が勝手に提唱しているだけ)に新たな一本が追加されてしまいました…。
この他にも、車中で耳が幸せになるアルバム集め(FF作品のサントラ)やクオリティが高すぎる料理の数々などなど、収集要素もかなり熱い。こういう無駄(無駄ではない)の積み重ねが本作の魅力の一翼を担っているのは間違いありません。
未来を感じるFF作品でした
オープンワールドとシナリオのアンマッチ感
素直に感動させてくれない終盤のシナリオ構成など
惜しい部分の多い作品ではありました。
しかし、そんな惜しい部分を無視できるほどの楽しさがあったのも事実
「日本のゲームメーカーも捨てたもんじゃないじゃん!」
『FF15』は、そう我々に思わせてくれる魅力を持った作品です
じっくりと時間がとれる時に腰を据えて是非是非お楽しみください
追伸:このレビューを書いた後も筆者(ノクティス)の冒険は終わりません
まだまだ釣り足りんのじゃぁ~!!
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