【モーテ-死を謳う楽園の子-感想】縹けいか著/イラスト「カズキヨネ」の最強タッグ再び!赤毛のイケメン青年ダンテが目印!

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縹けいか先生の最新作「モーテ-死を謳う楽園の子-」を読了しました。

ナンバリングされてはいませんが、「モーテ-水葬の少女-」の続編に当たるお話なので、そちらを先に読む事をオススメします。「水葬の少女」は表紙が素っ裸の女子だったので買いにくかったが、2巻は赤毛のイケメンが表紙で買いやすいぜ!

関連記事:【モーテ-水葬の少女-/感想・レビュー】

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「モーテ-死を謳う楽園の子-」

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あらすじ
遺伝子の罠――数万人に一人が罹り、必ず十代の内に自殺へと追い込む奇病・モーテ。小説家志望の青年・ダンテは、モーテを患う子らを収容するホテル・グラ ティアでアルバイトとして働くことになる。どんなに不穏で陰湿な場所かと不安を感じていたが、そこで出逢ったのは天真爛漫な少女・アミヤだった。グラティ アで暮らすモーテの子らは皆前向きで、死を予感させるようなこともなく、平穏な日々を送っていた。しかし、安寧の日々は一瞬にして崩れ去る――ある少女の 自殺によって。しかもその自殺には不審な点が多く、ダンテは真相を追及し始める。果たしてそれはモーテによる症状か、陰惨な他殺か、それとも……? モー テの子らが望む“命の使い道”とは――?

「水葬の少女」は孤児施設『ドケオー』が舞台でしたが、「死を謳う楽園の子」はモーテを患う子らを収容するの為のホテル『グラティア』が舞台となっており、主人公も小説家志望の「ダンテ」という新キャラクターです。(小説家志望でダンテって名前は確かに酷である。)

ホテルというだけあって、『ドケオー』と比べると施設全体に漂う雰囲気は優しいものになっており、そこに暮らす人達も笑顔に満ち満ちています。

あとがきに書かれているように前作とはずいぶん表情の違う作品に仕上がっていました。ライトノベルらしさを追求して苦悩されたようですが、先生のスタイルを崩す必要はないと思います。読者はこれを求めている。少なくとも私はそうだ…。

前作のキャラクターも勿論登場します

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「水葬の少女」からおおよそ一年後のお話。

前作のキャラクターである「アラン」・「ドゥドゥ」・「マノン」は勿論。前作の途中で『ドケオー』をあとにした笑顔眩しいチョコレート少女「アミヤ」も登場します。「ドゥドゥ」と「マノン」は一歩引いた立ち位置ではありますが、「アラン」と「アミヤ」はバリバリのメインキャスティングです。

「ダンテ」を取り巻くキャラクター

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  • アミヤ
    ダンテが「グラティア」にやってきた日に最初に言葉を交わした相手。「モーテ」という逃れぬ運命にありながら、その眩しい笑顔に偽りはなく、周りをも明るくするムードメーカー。
  • アラン
    前作のもう一人の被害者であり加害者でもある色々と複雑な立ち位置のキャラクター。本作では何故か「グラティア」のキッチン担当に就任している。
  • シュエリー
    「グラティア」の責任者で黒髪が美しい麗人。容姿とは裏腹に発せられる言葉にはどこか棘があるが、裏表がなくハツラツとしていてみんなから慕われている。
  • ジラ
    大きなメガネが印象的な大人しい女の子。「グラティア」の中では年長者なので、いつもみんなの世話を買って出ている。今度開かれる地元の方との交流会の出し物で劇を予定していて、その脚本を書いているようだが…。

この答えのない問題にどう決着をつけるのかに期待

最初に述べたように前作とは物語の方向性がずいぶん変化したように感じます。それは一つの問題が解決した事により様々な事が好転している結果でもあるのですが、それだけではなく。「モーテ」という説明不可能な病を患っている子供達との接し方、未来について考えさせられる始まりのお話でした。

「死を謳う楽園の子」自体のストーリーはこの一冊で完結していますが、『モーテ』という物語はまだまだ終わりません。

色々と言いたいことはあいますが、『エピローグ、そしてプロローグ』にはしてやられました。
あんなの反則だよ~(これは「英雄伝説Ⅳ空の軌跡FC」をやった後と同じ感覚に似ている…。)

ここから本格的に『モーテ』という病を主題にもってくるのであれば、「この答えのないであろう問題にどう決着をつけるのか!?」が、楽しみでもあり不安でもあります。
まぁ、先生ならうまくやってくれるよね!

死生観や本当の優しさについて考えさせてくれる良書です。
そこまで暗い話でもないので安心して読めるはず!?

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