【妄想戦記 ロボット残党兵】熱いロボット漫画が読みたい人にオススメ!「三船」は理想の主人公像!

DSCF2674
新年早々、心に残る漫画と出会った。以前から気にはなっていたが中々手に取る事ができなかった漫画「妄想戦記 ロボット残党兵」だ。

2007年から2011年にかけて『月刊COMICリュウ』にて連載され、単行本全5巻。正直、『月刊COMICリュウ』自体、書店で見かける事は稀です。

そんなある意味レアな漫画を今回はご紹介したい。

スポンサーリンク

「妄想戦記 ロボット残党兵」とは?

DSCF2671

第一次世界大戦後、傷ついた兵士の救済のために失われた体の一部を機械で補う技術が発達した。やがて、それは全身を機械化する技術へと発展することになり、各国で極秘に戦闘用の機械化人間の開発が進められることとなった。第二次世界大戦中に開発されたサイボーグである機械化人間達の苦悩や葛藤を描く架空戦記。
引用 – Wikipedia

状況を把握するのが困難に感じるほど、荒削りな作画。
一見、荒唐無稽で勢い任せに感じるストーリー。

決して、万人受けする作品では無いだろう。しかし、私はこの作品に強く惹かれてしまった。
「それは何故だろう?」と考えた時、答えは自然に理解できた。

この作品には『心』がある、作者の『魂』を感じる。

作者「横尾公敏」

ゲーム製作会社・フリーデザイナー・編集プロダクションなど、15年のサラリーマン生活後に、脱サラをして漫画家に転身!現在は『月刊少年チャンピオン』にて「百人の半蔵」を連載中!独特の作風と世界観で突っ走る新進気鋭の漫画家

魅力的なキャラクター達

世界各国の「機械化人間」が登場する本作。全体的に鉄臭く、咽返りそうなビジュアルのキャラクターが多い。しかし、機械の体であるはずの彼らは生身の人間よりも人間味に溢れているのだ。

私のイチオシ「機械化人間」はやっぱりこの二人だな。

主人公「三船 敬三」

DSCF2673
日本が首都防衛を目的として開発した『機械化人間』の初期28体の内の1体である。不治の病により、余命幾ばくも無い状態だったが、妻の「千代」と一人娘の「春子」を残して逝くわけにはいかないという一心から、脳以外を機械化する『機械化人間計画』に自ら志願する。自身も元機械化人間研究者だった為、体はかなりの特別製である。

主人公「三船」は私が主人公に求める要素を「欲張りすぎだろ!」って感じるほど兼ね揃えている。最初はビジュアル的に物足りなさのようなものを感じていたが、読み進めていくうちにこの洗練されたデザインが大好きになっていった。読み終わったときにはもう「三船」のファンになる事間違いなし!体は機械になろうとも、誰よりも愛と友情に忠実に生きた日の丸人「三船 敬三」が私は大好きだ。

 秘密警察「森 正一」

DSCF2679
秘密警察所属の機械化人で最終階級は秘密警察庁長官。外見から厳しい印象を受けるが、忠義や恩義を重んじる部下思いのナイスガイ。対機械化兵戦闘刀を主に使用しているが、手首から分離する仕込ナイフや胸部に爆薬を仕込んだ短刀など様々な武器を搭載している。「三船」と並ぶほどの使い手。

作者の成長が作品から感じられる

確かに最初は荒削りな作画なのです。しかし、巻数が進むごとにゴリゴリとうまくなっていき、『4』・『5巻』あたりになると違和感はなくなります。「三船」や「森」がガシガシ動くと読んでいるコチラも思わずうれしくなってしまいます。これは好みだとは思うのですが、最初から洗練されている物よりも、その過程で練度が増していくのを体感できる創作物って個人的に大好物なんですよね。

不満点は、終盤の早足感が勿体無く感じた事くらいですかね、もう少しゆっくり余裕を持って締めても良かった気はします。結構、意外な終わり方をしますが、これに関しては満足してます。

パラレル世界を描いた【零】

DSCF2670
タイトルが【零】となっているので、若干紛らわしいですが、別に前日譚ではありません。「ロボット残党兵」のプロトタイプである作品に大幅な加筆と修正を加えたもので。より深く機械化人間の心の葛藤と苦悩にスポットを当てた作品になっています、結構重めです。

終戦後を描いた続編「大昭和怪人伝」

DSCF2669
終戦後の東京を舞台に探偵「三船 敬三」が大活躍!読みきりタイプの短編が8話収録されています。「三船」以外の人気キャラクター達も大活躍します!これは良いファンサービスだ!!

特に、『機械化人間』の痴呆問題を描いた「幻影軍人06号」と『森』が子供を拾う「逃亡少年」がお気に入り!「森」のおでん食べてみたいなぁ~。(「苦労したぞ味もわからんこの舌で作るのは」って台詞が最高だ!)

試し読み:「幻影軍人06号」

熱く男臭いロボット物が読みたい人にオススメ!

DSCF2672
この作品には斬新なギミックや華やかさは微塵もありません。

「硝煙の匂いと鉄臭さを感じる『ロボット漫画』を読みたい!」ただひたすら、その需要に答えている漫画なのです。そんな願望をお持ちの方がいらっしゃいましたら、問答無用でオススメしますね!

アニメ化とかすればいいのになぁ~。
amazon:ロボット残党兵

コメント

タイトルとURLをコピーしました