「ハイスコアガール」は何故こんなにも面白いのか?
勿論、筆者が無類のゲーム好きである事や押切蓮介氏のファンである事も大きな要因の一つでしょう。しかし、この面白さの正体は、たったそれだけの言葉で説明しきる事は到底できません。
ゲーマーの心をガッツリと掴み続ける90年代アーケードラブコメディー「ハイスコアガール」の魅力・面白さの理由を、本日は徹底解剖していきます。
©押切蓮介/SQUARE ENIX
ハイスコアガールが面白い5つの理由
フィクションの中にあるノンフィクション
「ハイスコアガール」はフィクション作品ですが、その背景となっているゲーム体験・時代背景は全て作者である押切蓮介氏の実体験を元にしたものがかなり多いです。
この根底に流れるフィクションの中のノンフィクションがあるからこそ、自分の事のようにワクワク・ドキドキ出来る。主人公「ハルオ」が著者「押切蓮介」氏と重なるシーンは多々ありますが、それは同時に我々読者のシンクロでもあるのです。
この〈思い出〉という最高の隠し味こそが「ハイスコアガール」最大の魅力だと私は考えています。
リアルすぎるゲーマーアルアルのラッシュ!
駄菓子屋の店先に並んだ劣悪極まりないアーケード筐体。不本意ながら巻き込まれてしまうゲーセンでのリアルファイト。新作ゲーム発売日の胸の高鳴りと興奮etc、次から次に現れるクリティカル級のゲーマーアルアルの数々。
エドモンド本田もビックリの百裂(アルアル)張り手を目の当たりにして反応しないゲーマーなんてこの世には存在しません。
フィクションの中のノンフィクションの話と被りはしますが、こういうゲーマーアルアルこそが作品にリアリティを与えているのは恐らく間違いないでしょう。あと、純粋に笑えるポイントでもあります(笑)。
共感度100%!矢口ハルオという主人公の存在
何と言っても外せないのが、本作の主人公「矢口ハルオ」の存在。
勉強もスポーツもダメでルックスも中の下。唯一誇れるものと言えばゲームの腕前という、絵に描いたような劣等生。しかもゲームにおいても勝利に貪欲で平気でタブーを犯すヤベェ奴!
でもその必死さが…ゲームに対する本気さが…他人事とは思えない!
ゲーセンのワンクレジットの重みを知っているものなら、あの日のダーティーな自分(投げハメ・待ちガイル等々)を思い出す事が出来ると思います。
ちなみに私もガイル使いです。
口ではなく拳で語るヒロイン大野晶の存在と表情への拘り
台詞ではなく拳を放つキャラクターをメインヒロインに据えた事もあり、文字に依存しない表現方法へのチャレンジを至る所に感じます。
押切氏が元々漫画的なオーバー表現が上手いというのもありますが、特に視線・表情等へのこだわりは凄まじいです。
喋らないメインヒロイン大野晶の存在がその流れを生み出した要因なんでしょうけど、結果的にそれは他のキャラクターにも波及し、現在の表現確立に到ったのではないでしょうか?
見る人によってはそこまで美麗な絵・漫画ではないかもしれませんが、漫画力は超絶高い…それだけは断言できます。
ラブコメ作品として純粋に面白い
最初は矢口ハルオと大野晶の二人が織り成すゲーマーボーイミーツガールな訳ですが、2巻から登場する日高小春によってそれは激変。物語は、ギャルゲーさながらの大三角関係へと発展します。
難攻不落に思えるハルオと晶の関係に、結果的に割り込む形になる小春。
無理ゲーにも思えるその展開に、当初はただの噛ませという悲しみを背負うキャラクターだと思っていましたが、徐々に自分の気持ちを確固たるものとし、最強ヒロインにしてラスボスである晶に挑んで行く小春の姿についつい肩入れしてしまう自分がそこにいる…。
この恋愛の行方。最後の最後まで本当に読めないッ!
…そう、「ハイスコアガール」はラブコメ作品としても純粋に面白いのだ。
アニメ化企画にも期待大です
色々あって一度は流れたアニメ化企画も再始動(2018/7月放送予定)。
本編もクライマックスに向けて更なる加速を感じる緊張の展開…。
ゲーム好き、漫画好きならばマストな一冊だと思うので、まだ手を出していないという人は、食わず嫌いせずに「ハイスコアガール」の世界に飛び込んでみて下さい。
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