『荒木飛呂彦の漫画術・評価レビュー』「ジョジョの奇妙な冒険」を生み出す企業秘密が明らかに!?

公開日: : 読書 , ,

DSCF3661

集英社新書4月の新刊『荒木飛呂彦の漫画術』を購入・読了しました。

先生のファンであり、形は違えど『表現』というフィールドに足を突っ込んでいる身として、この本を読まない訳にはいかないぃぃ!地味めな装丁の集英社新書の中で、この抱き合った荒木先生と露伴先生の表紙は一際異彩を放っていたのですぐに見つけられたぞ!ドドドドド

関連記事:【荒木飛呂彦の超偏愛!映画の掟&ホラー映画論】

SPONSORED LINK

表現する者たちへ贈る一冊の「地図」

DSCF3668

【全七章+実践編二章】で構成された総ページ数281からなる一冊の「地図」。それが、「荒木飛呂彦の漫画術」だ。

私自身、今までに何冊もの表現に関するのハウツー本に目を通してきた経験がありますが、この本には技法や心構えは勿論の事ながら、その先にある境地に関してまで書かれていました。既刊本二冊(映画論と映画の掟)からすでに感じとれていた事ではありますが、この荒木飛呂彦という男…。表現するという事に対して一切の妥協なし!

自分がいいと思う自分が好きなものに忠実でありたいという思いを曲げることは出来ない。」こんな台詞を言えるのは、裏打ちされた実績と実力を持つ先生だからこそです。

やっぱりでかいな、荒木先生は…。

漫画の「基本四大構造」を知る

本書の中で度々、漫画の「基本四大構造」という言葉が登場する。時代を超えて読み継がれるような「王道漫画」を生む為には、①「キャラクター」、②「ストーリー」、③「世界観」、④「テーマ」という4つの要素のバランスがとても重要になってくるとのこと。

ここでは私も大好きな漫画『孤独のグルメ』を例に挙げて、「基本四大構造」について説明してくれています。荒木先生による『孤独のグルメ』の分析が聞けるなんて思ってもみなかったので少し興奮してしまいました。

身上調査書は「秘伝のたれ」

「基本四大構造」の中でも最強、それが「キャラクター」。この最強の要素を揺らぎないものにする為に、先生は「身上調査書」なるものをキャラクターを絵にする前に作成するらしいです。

本書内には、実際の身上調査書が写真付きで紹介されていますが、名前、性別、身長などから始まって、将来の夢や人間関係、性格や趣味趣向に至るまで事細かに用意されていて、中には「こんなの必要になるの?」って項目まで存在しています。

しかし、こういう一見無駄にも感じるような事がキャラクターのリアリティや魅力、動機付けや目的、ジョジョで言えばスタンド能力などの構築に不可欠との事です。

確かに、ジョジョのキャラクターって個性が強いけど、そこから逸脱する事はほとんどないですもんなぁ…。身上調査書の重要性は先生の作品を読めば頭でなく心で理解できますね。

日常から「起承転結」を体得する。

「起承転結」がストーリー作りの基本である事は我々でもすんなりと理解出来きますが、それを実行するとなると話は別。「起承転結」は創作物の中だけでなく、我々の実生活の中にもゴロゴロと転がっているものであり、特別なものではない。

確かに何気ない事ではありますが、「意識せずに自然と発想できるか?」と聞かれれば、答えはNOですね。

主人公は常に前へ上へ「プラスの法則」

バトル漫画におけるパワーのインフレは永遠のテーマであり、面白さや人気に直結する要素だと思います。スタートがマイナスでも構わないが、「マイナス」と「プラス」を繰り返すようなやり方は読者を退屈させてウンザリさせる結果を招いてしまう。あえて「マイナス」の表現に挑戦するならばそれなりの覚悟と入念な計算が必要になるともおっしゃってます。

インフレし続ける事で駄目になる作品も確かに存在しますが、インフレのないバトル漫画ほどツマラナイものもないですよね。要するに、うまくコントロールしながら最大限の「プラス」展開を用意する事が王道漫画への「黄金の道」であると私は理解しました。

35年の実績からくる説得力!

DSCF3671

この本には、私の人生よりも長い期間、漫画家として一線を走り続けてきた荒木飛呂彦先生が目印にしてきた「地図」であり、揺るぎ無い「自信」が記されていました。ここで紹介した事柄以外にもデッサンの重要性や道具の選び方、ネームの切り方まで図を交えながら丁寧に解説してくれています。

『武装ポーカー』や『ジョジョリオン』など先生自身の著書から実例を出してくれるので非常に理解しやすくて読み易さも抜群です。特に『岸部露伴は動かない』からの実例が多いので、照らし合わせながら読んでいけばより深く理解できると思います。

タイトルは「荒木飛呂彦の漫画術」となっていますが、内容的には「荒木飛呂彦の表現術」と言っても過言ではないと思います。

『漫画』だけでなく、『小説』、『ゲーム』、『アニメ』、『映画』、『ライター』など、表現する事を夢見る人全てにオススメできる良書です。

荒木先生にとっての『映画術』のように何度も読み返したくなるような宝物がまた一冊、私の本棚に加わりました。これだから読書は止められない。

【きゃすとの満足度】
Amazon:荒木飛呂彦の漫画術 (集英社新書)

SPONSORED LINK

関連記事

【ハイスコアガールが面白い5の理由】ゲーマーの心を掴むリアルな情感と青春ラブコメの融合

「ハイスコアガール」は何故こんなにも面白いのか? 勿論、筆者が無類のゲーム好きである事や押切蓮

記事を読む

【ジョジョリオン最新刊感想】定助vs常敏・ランボルギーニを賭けたクワガタ対決開始!

「ジョジョの奇妙な冒険.第8部」にあたる、「ジョジョリオン」の最新刊を購入・読了しました。

記事を読む

「デビルサマナー 葛葉ライドウ対コドクノマレビト」特別冊子 コミカライズ作品の最高傑作!

以前、ゲームのノベライズ作品は「MGSPW」の記事で話題にしましたが、今回はゲームのコミカライズ

記事を読む

【僕のヒーローアカデミア】ヒロイン「麗日お茶子/うららかおちゃこ」が可愛い!話題のコミック一巻を購入してみた。

週刊少年ジャンプで大人気連載中の「僕のヒーローアカデミア」 話題のコミックス第一巻を購入レビュ

記事を読む

【話題のグルメ漫画・ダンジョン飯】単行本一巻感想・レビュー「モンスター料理・オススメ調理法教えます!」

ネットを中心に話題沸騰中のコミック「ダンジョン飯」 話題になりすぎて、どこに行っても品切れ

記事を読む

【先輩がうざい後輩の話】ツイッターで話題の可愛い尊い漫画ついにコミック化!描き下ろしも40pで大満足

【しろまんた@mashiron1020】さんがツイッター上で連載している漫画、『先輩がうざい

記事を読む

【飯マンガの名作再び:孤独のグルメ2・感想/レビュー】18年振りにゴローさん食って食って食いまくる!

松重豊氏が食って食って食いまくる深夜の飯テロドラマ『孤独のグルメ』。10月2日からは新シリー

記事を読む

【モーテ-水葬の少女-/感想・レビュー】「ファタモルガーナの館」の『縹けいか』小説デビュー作!

今年は少しでも積み本を消化していこうという事で、【モーテ-水葬の少女-】を読みました。タイトルに

記事を読む

【悪魔絵師・金子一馬のイラスト】新紀元社さん、画集の4巻はいつ発売予定でしょうか…。

みなさんは設定資料集や画集って購入しますか? 私は紙に印刷されたイラスト集や設定資料集が大好き

記事を読む

『黒博物館ゴーストアンドレディ』感想 「スプリンガルド」と世界観を共有する藤田和日郎先生の最新作!【祝・うしおととらアニメ化】

熱き情熱の塊。漫画の鬼。少年漫画界のレジェンド作家”藤田和日郎”先生の最新作「黒博物館ゴーストア

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

管理人超オススメの一本!

【コトダマン攻略】《大剣士・スサノ王》って強い?友達招待でゲットできる星5キャラの実力

本記事では、【友達招待キャンペーン】で入手できる《大剣士・スサノ王

【MTG「ドミナリア」プレリレポート】リミテで強かったカードと戦利品紹介!英雄譚は鬼畜!

【MTG】最新セット『ドミナリア』のプレリリースに参加して参り

【MHW:ロックマンコラボ】武器別で変化するBGM全まとめ!スネークマン・ブルースステージはやっぱり最高!

『モンスターハンターワールド』に実装された『ロックマン』コラボ

【ネタバレ注意「ダンジョン飯」6巻感想レビュー】シュローとの対立と発露するライオスの狂気

【ファンタジー×グルメ】の奇跡の融合、『ダンジョン飯』の最新第

【最新パック「ドミナリア」収録・英雄譚カード考察】MTGの歴史を辿る新システムに心高鳴る【アンティキティー戦争追記】

公式のお漏らし等、割とクリティカルなトラブルこそありましたが、

【MTGスタン《パワーストーンの破片》の使い方・考察】コロッサスデッキ再興!?機械化製法や蜃気楼の鏡で楽しもう!

次々に公開されていく『ドミナリア』スポイラーですが、その中でも

【MTG】ドミナリア収録《鉄葉のチャンピオン》等のトリプルシンボルクリーチャー特集!白の栄光の頌歌能力強そう!

週末のストアチャンピオンシップでプロモ版の《鉄葉のチャンピオン

【MTG・ドミナリアに収録されるPWカード評価・考察 】テフェリーとカーンは雑に強そう

『ドミナリア』来訪という事で、収録されるプレインズウォーカーも

→もっと見る

PAGE TOP ↑