【ファンタジー×グルメ】の奇跡の融合、『ダンジョン飯』の最新第6巻を読了しました。
加齢と共に漫画の購入量が年々減りつつある管理人ですが、『ダンジョン飯』は発売日をまだかまだかと待ちわびているマストな作品の内のひとつです。
毎巻安定した面白さを提供してくれる『ダンジョン飯』ですが、最新刊最大の見所と言えば、シュローやカブルーptと合流した事で浮き彫りになる主人公ライオスの狂気でしょう。
普段は外の目が無い事で麻痺していますが、やっぱりライオス一行は普通じゃない…(笑)。
地上へ戻るという選択を失い、更に深部へと歩みを進めるライオス一行。ファリンの安否、『狂乱の魔術師』の目的等、作品のターニングポイントとなる一冊です。
【シュローとの再会・ファリン強襲】激動の6巻
狂乱の魔術師を退けたライオス達の前に、かつての仲間・シュローが現れる。
凄腕剣士の合流で、ファリンの救出も楽勝…!と思いきや!?
一緒に食事をすれば仲直り?雪と氷の地下6階層で問われる、パーティーの絆。新たな仲間が加わる第6巻!
発売日 |
2018/4/13 |
公式ツイッター |
ハルタ |
浮き彫りになるライオスの狂気
親友(一方的な感情)であり、ファリンに対して特別な想いを抱いているシュローは信用に値する人間だと判断し、今までの事の顛末を全て打ち明けてしまったライオス。
シュロー側からすれば、想い人であるファリンを取り返しのつかない禁忌へと踏み込ませてしまった張本人達を許せる訳もなく、しかも別にライオスを親友どころか少し苦手と感じていたという事実まで飛び出して大波乱の流れ。
そんな状況で襲来するファリン(グリフォンバージョン)。そして、無慈悲に虐殺されていくシュロー・カブルーptの仲間達。
この、【ファリン襲来(見開きページ)】でのライオスの反応である、「すごくかっこいい……」こそが本巻最大の見所だと私は感じました。
大事な妹が人間らざる異形になっている・その元妹によって虐殺が行われている。
…その状況下で出て来た感情が、「すごくかっこいい……でもちょっと欲張り過ぎじゃないか…」ってのはどう考えても異常過ぎます。
モンスターに対する興味が尋常じゃないライオスは、今までも様々な奇行・発言を重ねてきましたが、今回は外の目が多い分、その発言の異常さが露わになった感じです。
…普段はツッコミ役であるマルシルとチルチャックの二人も、外の目に触れたら十分に異常。
このptにまともな奴は誰一人としていない。そして、読者である我々もライオスによって確実に毒されていたんだと…「ハッ」とさせられる恐怖の瞬間でもありました。
飯を食い英気を養う事の重要性
「1日3食しっかり食べて」「睡眠をとってる俺たちのほうがずっと本気だった!!」
瀕死・行方不明者大量という悲惨な状況でもなお、飯を食う事の重要性に繋げていくこの姿勢。どこまで行っても核はグルメ…これでこそ『ダンジョン飯』。
最近は、若干ファンタジーバトル要素が濃い目になりつつあったので、今回の「ハーピィの卵焼き」、「夢魔の酒蒸し」で良い感じに中和されて良かったと思います。
カブルーは、空気が全く読めない狂気の男ライオスのありがた迷惑によって過去のトラウマがフラッシュバックしてしまったようですが、彼はこちら側に来れる逸材だと思うので問題ないでしょう(笑)。
新たな仲間(?)イヅツミは猫耳可愛い
新たな展開と言えば、新メンバーであるイヅツミちゃんの存在。
イヅツミちゃんと書きましたが、彼女(彼?)は女の子であってるのでしょうか?
一人称が私となっているし、ビジュアル的には女性っぽいですが、確信に至る情報は今の所みえてないかな?まぁ、どちらにせよ猫耳可愛いから別に良いけど…。
読み切りの様な密度の長編漫画
九井諒子さんは、短編集『竜の学校は山の上』の時代からずっとファンですが、短編でも長編でも、常に一定以上のクオリティを保ち続けているのが本当に凄いです。
長編ってどうしても途中で中弛みしたりするもんですが、そういうの一切感じさせない工夫と確かな技量を感じます。
まるで読み切り短編のような密度を保ち続ける長編作品。『ダンジョン飯』…凄い漫画です。
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